グッドデザインカンパニーの仕事1998-2008

kta6662009-10-09

僕の大好きなラーメンズ
アートディレクションも手がけている
グッドデザインカンパニー(gdc)による、
10年間の仕事をまとめたセルフレビュー。
「よいデザインを生み出す会社」という直球の名前。
デザインに個人的な趣味や恣意性を持たせないという
強い姿勢を感じる。


表紙はとてもシンプル。
光沢のある白に明朝体に近いフォント。
レビューの項目の中にフォントと文字組がある。
ひとつひとつの文字の大きさや間隔を調整しているのを
初めて知りました。
掲載するコピーのバランスを一文字ずつ考えてゆくような、
グラフィックデザイナーしか持っていない鍛えられた眼。
これが門外漢としては新鮮でした。


水野学を含め、深澤直人とか吉岡徳仁とか原研哉とか、
人気のデザイナーの商品にはみな
「シンプル」というコピーがついていたりする。
(ケータイ屋で、新しくデザインされた携帯電話の横のPOPに
「シンプルイズベスト!」とか書いてあったりして)
でも、同じシンプルでも注意深く見るとちょっとずつ違う。
おそらく、それはデザイナーの考え方の違いにある。


書かれている文章も整理されていて、とてもわかりやすい。
アートディレクションとデザインの項目に分かれていて、
それらのヴィジュアルの羅列とそれらについての説明文を読むと
シンプルな中にgdcの考え方がぼんやりと見えてくる。
検討最中のスケッチや撮影風景が載っているのも楽しい。