アンドレアス・グルスキー展

kta6662013-08-07

  • 場所 国立新美術館
  • 会期(東京展) 2013.07.03〜2013.09.16/10:00〜18:00
  • (火曜日休館、金曜日のみ〜20:00)

パーティで一度訪れたことはあるけれど、
展覧会を見に来たのは初めての国立新美術館
全部はまわってないけれど、
高い天井のロビーからそれぞれの展示室に入っていくという意味では
オーソドックスな構成となっていた。意外とエントランスはおとなしめ。


学生の頃から気になっていたアンドレアス・グルスキーの作品が
ナマで観られる!ということで行ってきた。
また、「ライン川 2」という作品が写真家の作品として
史上最高額の約433万ドルで落札されたことで
日本でもニュースになっていた。


証券取引所の電光掲示板やスーパーマーケットの陳列棚、集合住宅など
執拗なまでに反復される風景を、
正対して撮影し、巨大なサイズで印刷する。
異様な迫力を感じながらも、そんな中で自分も生活しているんだなと
自分がその反復されたもののひとつになってしまうような
没入感が面白い。


引いて眺め、寄って眺め、小さな人の顔を見ては笑ったりして
見てて飽きることがない。


話題の「ライン川 2」が意外に小さくてビックリしたけれど
さらにビックリしたのは、その作品でグルスキーは
対岸の建物をデジタル加工で消してしまったということ。
写真でそんなのあり!?って思う。
でも実際に、感じたことのないような感覚と
それを楽しんでいられる時間だけで
「いいんだろうな」と納得してしまった。


初期の作品は対象に正対せず、構図に遠近感を感じる作品も多いが、
中期から最近の作品は真正面から、真上から、または近接して撮った写真が多く
遠近感がいまいちつかめないものが多い。
対象への眼差しはそこにある出来事や現象を写すというよりも
前後の挙動が見えないような写真になっていて、
それが絵画的と言われる原因なのかなと思った。
そこに映し出されているのは、
物語というよりもっと大きな、
個人の意志とかあっという間に流してしまうような
性(さが)とか本能みたいなものを感じた。