原初的な未来の建築

kta6662008-07-03

37歳にして、学生にもその活動がよく知られるほど有名な藤本壮介
代表的な作品は「T-House」「安中アートフォーラム」など。
いままでにないような空間をつくり、
その作品群はたくさんの雑誌やメディアに取り上げられている。
東京大学建築学科を卒業してから、
どこの建築事務所にも属さずいきなり独立したという意味でも
すこし変わった建築家。


メディアにはたくさん出ているけれど、
彼個人としての著書としては初めて。
写真やコンセプトの図などを織り交ぜながら、
設計のもとになる考え方やアイデアを絵本のように綴っている。


間取りとかnLDKとかを解体するような、
自由な空間を作ろうとしている彼の作風は
自己生成する植物のようだ。
ものの作り方の原理を追い、明快な形式で示すことで
それらが集まって持つ空間の質を得ようとしている。
近作をまとめたこの本を通して読むとそれがよくわかる。


巻末の藤森照信との対談が刺激的で面白いです。
二人とも回りくどくなくて勘が鋭い。