ゆれる

kta6662008-07-28

ストーリーや構成、若い女性監督の底力もさることながら、
オダギリジョーをはじめとする俳優の演技力が絶賛され、
様々な賞を受賞した映画。


カメラマンとして東京で活躍する
早川猛(オダギリジョー)は母親の法事で故郷に帰り、
兄・稔(香川照之)と昔の恋人・智恵子(真木よう子)に再会する。
猛は「ひさしぶりに家族でよく行った渓谷に行こう」と兄に誘われ、
智恵子と三人で渓谷にいくのだが、そこにあった吊り橋で事件が起きる。


印象的だったのは場面の切り方。
間のとり方がとてもいい。
まるで登場人物の呼吸とシンクロするかのように
場面がカットされる。
見る側にまでその呼吸がうつってくるようだ。
それが最初から最後まで通して流れる緊張感を生み出している。
それを目一杯感じさせる出演者の演技力にも感嘆させられる。


この映画は、真実がゆれている。


何が真実かは、
観る者によって、信じるモノによって、変わってゆく。
客観的な事実なんてものは棚上げされたまま、
この映画は終わる。
それでも僕たちは前に進めるし、進むしかないのだと
心の底から感じさせられる。