FILING 混沌のマネージメント
2004年に開催された「HAPTIC展」の中のひとつである
「FILING展」をもとに構成された、ものの整理や文具に関する本。
帯には「脱・整理術」「机の上を片付けてはいけない」とある。
写真での事例の紹介が多いが対談なども収録されており、
パラパラと流し読みができるけれど、読み応えがある。
最初に平凡社の編集部の机周りなどを紹介しているが、
一般的にはきたならしいとか雑然としている、とか形容されるような風景。
紙袋をファイルとして使っていたりする。
この方が外へでる時に手っ取り早い。
ボタン屋の、ボタンを収納した箱の正面となる位置にボタンを貼られている。
機能が洗練されていて、実物のボタンを総覧できることで
新たなものを生み出すきっかけともなりそうだ。
「輝きを混沌の中からつまみ出す」
「ほしい情報にたどりつくためのインターフェース」
と題された裏には
これらの効率性や創造性からその裏にある仕組みを捉えて、
もののもっている情報、力をひきだすような
新しいファイリングを考えていこうとする試みがみられる。
様々なファイリングの事例を紹介したのちに
織咲と原デザイン研究所が中心となって
それらの事例のエッセンスを抽出して
ファイルやタグ、ペーパーウェイトなどを制作している。
中でも「Inter BOX」という様々なファイリングの可能性をもった
ボックスのデザインは秀逸。
ものが整理されている状態で、なおかつそれらに
創造力を喚起されていくようなファイリング。
ものの整理の仕方で変わるのは
効率だけではないんだなあとあらためて感じました。