FILING 混沌のマネージメント

kta6662007-03-28


2004年に開催された「HAPTIC展」の中のひとつである
「FILING展」をもとに構成された、ものの整理や文具に関する本。
帯には「脱・整理術」「机の上を片付けてはいけない」とある。
写真での事例の紹介が多いが対談なども収録されており、
パラパラと流し読みができるけれど、読み応えがある。


最初に平凡社の編集部の机周りなどを紹介しているが、
一般的にはきたならしいとか雑然としている、とか形容されるような風景。
紙袋をファイルとして使っていたりする。
この方が外へでる時に手っ取り早い。

ボタン屋の、ボタンを収納した箱の正面となる位置にボタンを貼られている。
機能が洗練されていて、実物のボタンを総覧できることで
新たなものを生み出すきっかけともなりそうだ。


「輝きを混沌の中からつまみ出す」
「ほしい情報にたどりつくためのインターフェース」
と題された裏には
これらの効率性や創造性からその裏にある仕組みを捉えて、
もののもっている情報、力をひきだすような
新しいファイリングを考えていこうとする試みがみられる。


様々なファイリングの事例を紹介したのちに
織咲と原デザイン研究所が中心となって
それらの事例のエッセンスを抽出して
ファイルやタグ、ペーパーウェイトなどを制作している。
中でも「Inter BOX」という様々なファイリングの可能性をもった
ボックスのデザインは秀逸。


ものが整理されている状態で、なおかつそれらに
創造力を喚起されていくようなファイリング。
ものの整理の仕方で変わるのは
効率だけではないんだなあとあらためて感じました。