ゴースト・ドッグ

kta6662011-01-18

ジム・ジャームッシュ」「刀」「HIPHOP」という
キーワードでビビッときたのでレンタル。


主人公は、ビルの屋上でハトとともに過ごし、
日本の書籍「葉隠」を訓辞とする孤独な殺し屋。
彼とその主人であるマフィアとその一団の話。


映画の大きな主軸となっている「葉隠」。
日本人ですら、名前は知っていても
馴染みがないひとが多いと思う。
主に尽くす忠臣のありかたを現した文章が
映画のシーンの間に挿入される。


階段を上るだけで息があがり、
ステレオタイプのローブを着て
最近のヒットチャートで踊るマフィア。
屋上で完成しつつある手作りの船。
誰も読むことのなくなった「葉隠」。


手遅れになってしまった色々なことは、
あとはもう死ぬことを待つだけの運命なのか。
過去と現在と未来はどのような接点をもって
つながっていくものなのか。
ストーリーにおける印象的なシーンが
ストレートかつユーモアに描かれている。


個人的にはアイスクリーム屋のレイモンが
最高です。


ジムジャームッシュ作品は
「ダウンバイロー」「コーヒーアンドシガレッツ」
ミステリートレイン」ときて
コレが4作目。時系列がメチャクチャだな。


ほかの3作に比べると、
殺し屋である主人公の目的や行動が一貫しているだけに、
独特の長い「間」が少なく、
登場人物の過ごす時間を
観ている人に寄せていくというよりも、
出来事やメタファを通してシンクロしていくような
感覚がありました。


重く哀愁の漂うテーマでありつつも、面白い。
まだまだジャームッシュ作品には
ハマっていきそうです。