借りぐらしのアリエッティ

アリエッティ

久しぶりに記事を投稿。
貧乏性だからなのか、自分が何かの表現を見た時に
感じたことを、あとあと思い出したくなってしまう。


で、久しぶりにジブリ作品をスクリーンで鑑賞。
映画館で観て良かったな、とまず思えたのは
音の臨場感。
今作は主人公のサイズが小さく、
耳への響き方が違うことでその小ささを体感できた。


ほかにも、水滴がスピラ(小人)達にとっては大きく
球形に描かれていたり、ビスケットを砕いて食材にしたり、
鉛筆のキャップを花瓶にしたりという
リアリティはわくわくして観ることが出来ました。
父親と一緒に「借り」に出かけるシーンでの
父親の手際の良さもすごく気持ちいい。


ただ、「人間に見つかってはいけない」
秘密の存在であるにも関わらず
目立つ赤の服装を着て庭に出たり、
部屋の内装がやけに人間の文化に寄り過ぎたりするのは
なんだか、登場人物への奥行きがないように
感じてしまって少し残念。
小人という特殊な設定が持つ、
人間とは異なる文化や仕草をもっと観たかった。


いままでのジブリ作品の傾向とは異なる、
世界を動かしている思想へのメッセージを抑えたような、
ささやかな作品という方向性なのであれば、
そこでもっとわくわくしたかった。


それを踏まえて、
スピラという存在の儚さとそれに対する
主人公アリエッティの抵抗はもう少し描いても
良かったんじゃないかと思いました。


最後は「あれ?これで終わり?」という
肩透かしを食らった感じがあって。


ただ、最後のエンドロールの川を下って行くシーンで、
スピラが不安と儚さを感じつつも、
新しい地で生きていく希望と自由さを感じられて
良かったです。