吉岡徳仁ディレクション「セカンド・ネイチャー」展

kta6662009-01-21

  • 場所 21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウン内)
  • 会期 2008.10.17~2009.1.18/11:00~20:00(火曜日休館)
  • 入場料 一般1000円 大学生800円 中高生500円 小学生以下無料

21_21DESIGNSIGHTが企画する4回目の展覧会。
「記憶から生み出される第2の自然」がテーマ。
近年の吉岡徳仁の活動を象徴するようなテーマで
吉岡以外に安部典子や東信、森山開次中川幸夫などが参加。
かつて人間は科学をもって自然を蹂躙したが、
それを経て現在、人間は自然に何を見い出し、
発展を築いた科学はどのような位置づけとなるのか。


メインは吉岡の「CLOUDS」と、
(無数のファイバーをつり下げた雲のようなインスタレーション)
「ヴィーナス―結晶の椅子」だ。
室内に、雲のようなものがかかっていて
その下を人が行き交う光景はなんだか不思議だった。
もっと天井高のあるところで、
つり下げられた結び目が見えなかったらもっと良かったのに。
安部典子の「地のかけらVol.4-7」も面白かった。
等高線からつくる地形はよく見たことがあったけれど、
彫り込まれた形が面白く、光の陰影が綺麗にあらわれていた。


自然のひとつひとつの生命とその意志は
集まって大きなうねりとなって顕れる。
何もない砂漠の地平線や水しぶきをあげる滝、深い海の闇。
なんでそれらを見て感動するのか。
人間の思考など入り込む隙のない歴史の積み重ねや、
ただひたすらに生きる動物たちの生と死。
いろんな言葉で語ることはできるけれど
それは圧倒的な他者のままだ。


表層的な自然の模倣ではなく、
自然界を静かに統率する構造を理解し、その力を表現すること。
そうすることによって、他者だった自然とのつきあい方がわかってくるんじゃないか。
この展覧会は未来の、そんなことを期待させてくれました。