ダウン・バイ・ロー

kta6662008-10-08

主人公のザックとジャックは
今は日陰者になってしまった元DJとポン引きという
社会的に言えば「ダメ男」。
そんな二人はそれぞれうまい話にハメられて
囚人になってしまう。
同室になった二人のもとに
ロベルトという一風変わったイタリア人が入ってくる。


ロードムービーと称されているように
物語はあるのだけれど、どこか素朴な感じ。
物語にありがちな思想の発露や劇的な展開はない。
登場人物たちにとっては劇的な展開かもしれないけれど
少なくとも映画としてそういう風には描かれていない。
一歩引いた視点で描かれていて、コントの様にも見える。
めちゃくちゃよく出来たコント。
あまり褒めているようではないかもしれないけれど。
トム・ウェイツの曲も良い。


素朴でありながら、その独特の「間」がとても面白い。
それによって日常と非日常の関係が浮き彫りになっているように感じる。


普通の生活の中で、
「気だるさ」を感じるとき
「苛立ち」を感じるとき
「幸せ」を感じるとき。
それらを静かに人間味あふれる演出でつないでいく。
笑えて、さらに感動できる作品でした。