土星マンション

kta6662008-06-11

地球全体が自然保護区域となって
地上35,000mにあるリング状の建物に
人々が住むようになった未来。
なんだかそれだけで壮大なSFのよう。
なのに、主人公がそのリングの建物の窓ふきという
地味な職業。
このアンバランスな感じだけで、
なんだか変で、面白い漫画だなあと思えてしまう。


物語の世界観が特殊だと、主人公の相手が
すぐ「世界」になってしまうような、
RPGなんかによくありがちな展開は
開放感とかスピード感を持った
いわゆる「ファンタジー」を演出しようとするけれど
そういう展開は(まだいまのところ)ない。
あくまでミクロなスケールでの話になっている。


でもだからといって風景が見えない訳でなくて、
むしろ風景が面白い。
特殊な世界観をあたりまえに生活する人々の風景が
ちらほらと出てくる。
あまり今の僕らの生活と変わらない。
でも少し違う。
そのわずかな差が面白くて、魅力的に描かれている。


異様に大きいソファとか、本棚とか
パースが狂ってるだけなのかなとも思ってしまうけれど
とにかく(それも含めて)空間とか風景とかが良い。
それだけでなんとなく何回も見てしまう漫画。