大岩オスカール:夢みる世界

kta6662008-05-12

  • 場所 東京都現代美術館
  • 会期 2008.04.29~07.06/10:00~18:00(月曜日休館)
  • 入場料 一般1000円 学生800円 中高生・65歳以上500円 小学生以下無料

ポスターの幻想的な絵に惹かれて見に行ってきました。
大岩オスカールの個展。
1991年の第21回サンパウロ国際ビエンナーレへの参加を皮切りに、
東京、ニューヨークと活動の場を転々としながら
その自由な想像と物語性で作品を生み続けている。


70点もの作品群から作者の像がぼんやりと浮かんでくる。
ユーモアにあふれたコンセプトや着想を、
豊かな表現方法で目の前にたちあらわせる。
その態度はとても軽やかで、迷いや衒いを感じさせない。


いくつか印象深かったものを。
『クジラ1』『クジラ2』
ただ大きいものが室内に現れるだけで
空間が変質してしまうような実感が得られる。
スケール感が狂ってしまう感覚に近い。
『20世紀』
光と闇を象徴的に描いた一連の作品の中でも
なんとなく良いなと思った作品。
空の明るさが描くラインと、暗い建物の対比のバランス。
ガーデニング(マンハッタン)』
今回のポスターの絵。
なにか突き抜けるような気持ちよさと
その反面、圧倒的な破壊力のようなものを感じる作品。


最後に大岩本人のドキュメンタリーフィルムがあります。
さらっとしたその語り口に、
ファンタジーな作品の制作と現実の接点を感じました。
夢を見るように非現実の物語を描いている訳ではなくて、
日常にスッと細工を施して
見る人を楽しませているのだなあと思いました。