MIND GAME
『MEMORIES』『鉄コン筋クリート』などの
世界に誇る作品を手がけたアニメ制作会社であるSTUDIO 4℃と、
『クレヨンしんちゃん』の作画監督として有名な湯浅政明が
生み出した野心的な作品。
声に、多くの吉本興業の芸人が出演している。
第８回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞、
第59回毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞。
舞台は関西。
二十歳の青年、西は電車の中で
偶然、中学のときに両思いだったみょんと再会する。
父親の借金のせいでみょんの一家は夜逃げしてしまい、
それっきり連絡がとれなかった二人は、再会を祝うために
みょんとその姉ヤンの二人姉妹で経営している焼鳥屋に飲みに行く。
しかし、そこに父親を追う借金取りのヤクザがあらわれ、
西はこの騒動に巻き込まれてしまう。
と、ここまであらすじを書いてみると、
ラブロマンスとサスペンスの
ストーリー展開になってゆくだろうと思ってしまうが
序盤から何かおかしいところが後半では一気に暴走し、
ストーリーなんてあまり関係ないんじゃないかというくらいに
空間や時間軸が跳ね回る。
登場人物も跳ね回る。
ちりばめられたセンスのあるアホっぽさとドライブ感の中、
そこに一つの軸を与えるのが、
「生きることの意志とその楽しさ・人生」という
なんとも普遍的でバカ正直なテーマ。
さわやかで気持ちのいい映画。
ひとつひとつの動きや表現も見応えがあります。
