ネクストアーキテクト―8人はこうして建築家になった

kta6662008-02-28

コルゲート鋼板を使った建築で
海外にも高い評価を受けている建築家、遠藤秀平が
インタビュアーとなって7人の若手建築家に素朴な質問を投げかける。
最後には遠藤秀平自身が回答者となった応答が収録されている。
子供の頃はどのような趣味を持っていたか、何に熱中したか。
いつ建築に触れて、どのように魅了されてきたか。
それぞれの建築家を志す経緯に違いはあれど
なにか共通する側面を垣間みられます。


回答者は、
中村勇大、宮本佳明藤本壮介、阿部仁史、
手塚貴晴、ヨコミゾマコト五十嵐淳、遠藤秀平の8人。
30代後半から50に近い範囲の建築家たち。
建築界においてはこれでもまだまだこれからの世代で、
他の業界に比べて遅咲きになる業界なので、
20代の頃でも個々人で様々な経歴が見られる。


ドキュメンタリーを見ていても感じることだけれど、
やっぱり自分の人生を語る時に、
それぞれに自分の培ってきた思想、というか経験論みたいなところから
ぽろっと出てくる言葉があって、そのそれぞれに重みを感じる。


これを読んで現代の建築家を定義する、までの気概ではなく
あ、この考え方は使えるかも、くらいの軽い気持ちで読みました。
それぞれの建築に対する考え方があって、それぞれの建築像が浮かび上がる。
勝ち負けというよりも、どこを目指すか、そのベクトルの違いのような。
当然、努力あってのことだけれど。
この本の冒頭で五十嵐太郎が述べているように、
これからの時代にはそのベクトルがより多様化されるだろう。