EAMES FILMS - チャールズ&レイ・イームズの映像世界 -

kta6662008-02-25

サイドシェルチェアなどで有名なイームズ夫妻による映像集。
20世紀の工業デザインにおいて
多大な影響を与え、いまなお世界中にファンが絶えない
このデザイナー夫妻の映像は、
原理的な面白さに富んでいました。


パワーズ・オブ・テン」は最も有名な映像作品。
ある男性を映す上空からの視点が
10秒ごとに10のべき乗で遠のいていき、近づいていく映像。
普段見慣れた景色が宇宙や原子とつながっていることを実感できる。
これが1970年頃にCGも使わずにつくられたというから驚きである。
「ブラックトップ」「カレイドスコープ・ジャズ・チェア」は
音楽とのマッチングも気持ちよく、
想像力をかきたてられるような映像が魅力的。
「ハウス:ケース・スタディ・ハウス#8/5年後の記憶」では
自邸であり、自作であるイームズ邸の情景をスライドで流してゆくもの。
家具やアート、雑貨に至るまで夫妻の美的感覚が光る映像が続く。


セリフは少なく、映像と音楽のみの部分がほとんどで、
絵付きのBGMくらいのライトな感覚で観られます。
夫妻のものを見る視点にリズムが感じられ、
そういえばつくるものにも詩性を感じる。
理屈だけでは生み出せないような
こんなセンスがデザイナーには必要なんだろうなと思いました。