金沢21世紀美術館
夏休みに有名な建築物たちを見に行きました。
その中のいくつかを掲載していきます。
言わずと知れた世界的有名建築ユニットによる代表作。
円形に複数のキューブが配置されたプランはロゴになるくらい象徴的で、
それがこの美術館の大きなアイデンティティとなっている。
円形を囲む大ガラスとシンプルな白色の仕上げで全体が装われており、
「ミニマル」という形容詞で語られる事が多いSANAAの
スタンスがわかりやすく具現化されている。
しかし、今回訪れた時は外周の大ガラスが見えず。
日比野克彦によるアートプロジェクト、
「明後日朝顔プロジェクト21」によって写真のように
全国から集められた約2000株の朝顔が周りを覆っていました。
色とりどりの朝顔が
夏の陽射しの中で鮮やかに咲いている様は綺麗だった。
でも、これは日射による空調のランニングコストを抑えるための
簾のような効果も狙っているのかなあと考えてみたりして。
光庭の強さ。
キューブが配置されているその間隔があまり変わらないため、
中を歩いていると迷いがちになる。
そこで、所々にある光庭が空間に多様性を与え、
展示物を鑑賞してゆく流れの行為の拠り所として働いている。
大文字の美術館としての力はかなり弱められている。
芸術を見に来る人達のためというよりも
もっと広い意味での公共建築。
無料で歩き回れる外周の部分が面積的にも大きく、
どこまでが企画展の展示エリアかがつかみづらい。
建物に中心がなくて、表も裏もない。
いや、正確には表と裏のあり方が微妙にコントロールされていることがいい。
キューブの隙間にはニッチのような、
どこかにつながりつつも佇んでいられるような居場所がぱらぱらとある。
なるほど、確かにシンプルな形式を使って
要求された建築の姿が確かに表現されている。