CITY OF GOD

kta6662007-07-22

2002年のブラジル、リオデジャネイロで実際にあった事件の話。
「神の街」と呼ばれる治安の悪い貧困街、ファヴェーラという区域がある。
そこでは、10に満たない子供でさえも銃をもち、ドラッグが蔓延する街である。
ある時、二大勢力であったギャングの抗争が大きく波紋となり、
TVニュースに取り上げられた。
その抗争の一部始終を目撃した少年ブスカペの話を基につくられた映画。
続編のTVシリーズも昨年DVD化された。


暴力性を多く含んだストーリーで、また実話であるために
エンターテイメントとして手放しに
面白いとはいえないかもしれないけれど面白い映画だった。
ひとりひとりの心情もそこそこに、
それらを包む社会を叙情的にうまく描けている。


「権力は下からくる」といったのはM・フーコー
一人一人の欲望が渦となってひとつの社会を形成するようになる。
人間は、環境の中でリアクションをとりながら
その積分で自分なりの思想を培っていくんだなあ。
動物もそうか。順応性。


ボサノバやサッカーというイメージのブラジル。
この映画のまず良い所はそういった文化を包み込む
社会やひととひとのつながり、哲学がイメージできること。
歴史の裡から生まれた音楽は思想からくるもので
それだけで人々を惹き付ける魅力を持つ。
ボサノバやレゲエの背景のイメージが持てたのは良かった。


ここに出てくる俳優たちは
そのほとんどがオーディションで選ばれた人達で
演技指導合宿を集中的に行ったらしい。
DVDが二枚組でもう一枚の方でそのメイキングが見られます。
演技がとてもうまいなあと思ってみていたので
その演技指導の方法を見られたのは良かったです。