ヘンリー・ダーガー(Henry Darger)展 少女たちの戦いの物語--夢の楽園 

kta6662007-06-30

  • 場所 原美術館
  • 会期 2007.4.14~7.16/11:00〜17:00※水曜日は20:00まで(休館日:月曜日)
  • 入場料 一般1000円 大・高生700円 小・中生500円(前売りは100円引き)

アウトサイダーアーティストとして
有名なヘンリー・ダーガーの展覧会。
遅ればせながら原美術館に行ってきました。


19歳頃から11年以上をかけて
大作「非現実の王国として知られる地における、
ヴィヴィアンガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因する
グランデコ--アンジェリアン戦争の嵐の物語」という
15,145ページにも及ぶ物語を執筆。
その物語をイメージのきっかけとして
多数の絵画作品を制作した。


美術の教育なども受けていないダーガーは
この絵を人に見せるつもりはなかったようで
生前は人目に触れられることはなかった。
しかし、その著作と絵画作品は彼の療養施設への転居の折りに
ダーガーの住まいの家主であるネイサン・ラーナーに託され、
彼の没後に世界中で高い評価を受けることになる。


様々な雑誌などのコラージュやトレースを多用しており
構図、色使いなどもなんとなく変な描きかたをしている。
素人だからなのかもしれない。
「構図とはこうだ」という先入観からすこしずらされてしまう感じで、
それが見ていて面白い。


自分の思いのままに描くことと全体を考えることが
常に揺らいでいる感じがして、そこに惹かれる。
絵画然としていないのに
なにか美意識、共感覚のようなものが
そこここに散らばって光っているような情景。
挿絵という説明的なものなのに絵画として説明的でないような感じ。
アウトサイダーアートでよく感じられるような
奥行きのない平面的な印象。
絵の楽しさを感じられる作品だなと思いました。