都市/建築 フィールドワーク・メソッド

kta6662007-05-15

  • INAX出版
  • 田島則行+久野紀光+納村信之(編)

「都市とは何か」を読み解くフィールドワークについて
五十嵐太郎や南泰裕、塚本由晴、若林幹夫など
14人のそれぞれの視点から述べた本。
フィールドワークの定義や方法、それを
都市にフィードバックさせてゆく過程などが
著されている。


都市を構成する建築や道路などのインフラは
それ自体で完結するものではなく
人がそこに入って活動する事によって
始まるものである。


地図では都市で起こる人々の営為はみえてこないし、
いざ都市の中を歩いてみると今度は
全体を捉えきれなくなってしまう。
空を飛んでいる
飛行機の窓から見えるような
俯瞰的な視点から見える都市の構造と、
都市で起こる局所的な事件の数々の間を
往復する作業がフィールドワークである。


ここに掲載されているフィールドワークの例としては、
イギリスのAAスクール(建築学校)では
街を歩く人をランダムに選んで尾行したり
ゴミを拾い集めて分析する調査を行っている。


ビジネスにおけるマーケティング
マスメディアにおける流行の把握なども、
広義にはフィールドワークのひとつに入ることからも
この本で知ることのできる内容は応用が利くといえる。
建築に関する用語などが度々出てくるので
予備知識が必要だけれど
建築分野以外の人にもオススメです。