デザインの輪郭

kta6662007-04-29


今をときめくデザイナー・深澤直人
デザインの考えをまとめたエッセイのようなもの。


「意図を消す」「アノニマス」「行為に溶ける」など
深澤のデザインに対する視点ははっきりしていて、
そこには日常のあいだに
針を刺すべきところを探しながら
縫ってゆく様なものの現れかたを
目指している姿勢が見える。


もののもつ力、機能をまっとうに働かせるときに
どのようにひとつひとつの線を描いてゆくか。
そこであらかじめわれわれがイメージとして持っている
もののかたちをアイコンとして利用することで
既存の風景に溶け込ませる。
それが深澤のもつ戦略だろう。


今の風景に溶け込ませることに対しての比重が大きい為に、
たぶん次の時代へと引っ張ってゆくような
文化を生み出すものは創らない。
それがこの人のスタンスで、
むしろその考え方自体につき動かされる。