きょうのできごと

kta6662007-08-07

日常の中の一日のお話。
大学院に進学する正道(三浦誠己)の御祝いをする中沢(妻夫木聡)たち、
ビルの間に挟まれて抜けなくなった哲(大倉孝二)、
煮え切らないかわち(松尾敏伸)にイライラするちよ(池脇千鶴)、
うちあげられた鯨。
同じ一日の中で、いろんな人がいろんな時間を過ごしてゆく。
その、ニュースを見ているとたまに気づくような事に終始している映画。


登場人物を取り巻く環境には、
とりたてて大きな変化はなく、
周りの出来事に対して抱く怒りや悲しみなどに
行動が伴って何か事件を起きるということもなく、
その感情はたわいもない一過性のものとして描かれている。
その細かな感情の浮き沈みが日常を綴ってゆく。


この映画で重要なのは起承転結のようなストーリー展開、ではなくて、
その綴ってゆく毎日の時間を生きたことなのだろうと感じる。
当たり前のようなことだけれど。
こんなことあったよなぁ、と思い返す過去は
その感情の起伏の一端が頭の中に浮かぶところから始まるのであって、
これがこうなって、とかの話の展開や順番は二の次なのだ。


似た感じの小説で保坂和志の「プレーンソング」を思い出した。
その小説は少し趣は違うけれど
最後のシーンがどちらも海という意味で、
何かそこに共感覚みたいなものがあるんじゃないのかと
安直に考えてしまったりします。